Tableau(タブロー)とは何か?

Tableau(タブロー)とは何か?

どんな人におすすめの記事なのか?

・BIツールの検討をスタートしました。
・BIツール選定担当者として、BIツールの比較検討のための情報収集をしている。
・Tableauについての情報収集を始めた。

この記事を読むと学べること

・データ活用において、Tableauが注目される理由
・Tableauの3つの特徴
・事例のご紹介

昨今、流行りのDX。この記事をご覧いただいている皆様はDXの目的を的確に言えるだろうか。「DXの目的は、デジタル技術を継続的に活用してビジネスのあらゆる領域に取り入れ、顧客体験の向上とコスト削減の両方を実現することによって競争優位性を築くことにある。」とマッキンゼーのレポート「DXとは何か」の冒頭で述べられている。そして、そのDXで大きなインパクトを生み出すための要件として、組織内の全てのチームが容易にデータにアクセスできる環境を整える必要性を説いている。この文脈からデータドリブンな組織の構築とデータドリブンカルチャーの醸成へと話が繋がるのだが、そこで注目されているのがBIツールである。


BIとはBusiness Intelligence(ビジネスインテリジェンス)の略で、ビジネスにおけるデータの分析や活用のことである。そして、BIツールは、企業の持つ様々なデータを統合・可視化することで、そのデータから新たなインサイト(洞察)を得て、データに基づいたビジネスの意思決定や課題解決を支援するツールである。
そのBIツールの中で、グローバルリーダーのポジションを築いているのが「誰もがデータを見て理解できるよう支援する」をミッションに掲げる「Tableau」だ。


Tableauは、当初スタンフォード大学の研究プロジェクトからスタートし、2003年に設立された。創業者の一人である、ハンラハン氏はピクサー出身で、ボリュームレンダリングソフトウェアなどの開発に従事していた。そのレンダリング技術は、ピクサーの映像が美しいと言われる所以であり、後にアカデミー賞の受賞にも繋がる。その経験から、ハンラハン氏は高速・簡単・美しいデータ分析手法の確率を目指し、その結果Tableauが開発された。それでは、早速Tableauの特徴をみていきたいと思う。

*マッキンゼーレポート:https://www.mckinsey.com/jp/~/media/mckinsey/locations/asia/japan/our%20insights/what-is-digital-transformation_jp04.pdf
*パット・ハンラハンについて:https://www.tableau.com/research/people/pat-hanrahan

Tableauの3つの特徴

誰でも簡単に扱える製品

Tableauは、誰でも簡単に、そして直感的にドラッグ&ドロップで操作できるUIである。社内で蓄積されているあらゆるデータをその時からすぐに利活用をスタートさせることができる容易さがそこにある。

*Tableau Cloudの画面で操作感を紹介

スモールスタートが容易

スモールスタートができるライセンス体系が2つ目の特徴で、基本的にユーザーライセンスで提供されており、ユーザーの役割に応じて3種類のユーザーライセンスが用意されている。

*原則、年間契約となるため、Creatorライセンスを1ライセンス購入する場合は、100,800円/年の価格となる。
*上記図:Tableau公式サイトより引用

初めてTableauを利用する場合は、まずはCreatorライセンスを1ライセンス購入することでスモールスタートできる。

また、Tableauライセンスと利用できる製品についても以下の図でざっくり整理する。
上述の通り、大きく3種類のライセンスがあると、お伝えしたが、Tableauライセンスはユーザーの役割に応じて分かれている。作成者のCreator、編集者のExplorer、そして閲覧者のViewerである。特にみなさん混同しがちな点がCreatorとExplorerの違いで、大きく異なるのは、新規のデータソースからVizを作成できるかどうかである。Creatorユーザーは、新規のデータソースを扱えるが、Explorerユーザーについては、Creatorユーザーが準備したデータを使って、Vizを作成することができる。つまり、Explorerユーザーは、手元に持っているローカルデータなど扱うことができないということである。

熱狂的なTableauコミュニティの存在

約20年以上かけて、ユーザー主導で作り上げてきた熱狂的なコミュニティがある。国内外でTableauユーザー同士が繋がり合い、様々なイベントが過去にも実施されてきた。
ここでは、いくつかおすすめのコミュニティをご紹介しよう。

Japan Tableau User Group

通称JTUGは、Tableauが大好きなユーザーのコミュニティで、年次総会、分科会の支援、Tableauに関連する情報の発信などを積極的に行っている。

*JTUG公式サイト:https://jtug.jp/about-us/

DATA SABER

DATA SABERは、当初Master KTのもと開催されたDATA Saber Boot Campを卒業した者に与えられた称号であったが、現在そのDATA SABERたちが師匠となり、弟子を育てていく仕組みとなっている。DATA SABERのウェブサイトでは「データを通して世界を理解し、それを人に正しく伝える努力を怠らず、人の心を動かし、行動を促す。」とDATA SABERとは何たるものかが述べられている。3ヶ月かけて、Tableauスキルとともにマインドセットを学び、最後は試験が課される。すでにDATA SABERとして活躍している人数は2,000名を超える。

*DATA SABER公式サイト:https://datasaber.world/index.html

Tableau Public

簡単に、そして雑に紹介すると、Tableauで作成したViz(Tableauで作成したビジュアライズされたグラフや表のこと)を共有しあうプラットフォームのようなものである。これが本当にすごい!グローバル規模で様々なバックグラウンドを持つユーザーがこのTableau PublicにVizを投稿している。Tableauでどのようにデータを可視化できるのか、疑問があれば、是非Tableau Public上で実施に検索してみてほしい。例えば、あなたが経営に携わっていて、経営に関するダッシュボードが見たいのならば、「経営ダッシュボード」とまずはキーワード検索することをおすすめする。

*Tableau Public:https://public.tableau.com/app/search/all

事例のご紹介

日本テレビ放送網株式会社 – Tableauでコンテンツ収支算出工数を年間約1,800 時間削減

課題
・「コンテンツ収支」の集計・分析作業において、以前はエクセルを利用し、各部門で集計した後、経理部門でそれらを統合する作業を行っており、膨大な工数が発生していた。その結果、年に二回しか事業、コンテンツごとの収支を把握することができなかった。
効果
・年二回しか収支の集計、分析ができなかった状態から毎月、データを可視化・分析することができるようになり、各番組の意思決定に反映できるようになった。
・経理部門は年間1,800時間もの工数を削減できた。

*日本テレビ放送網株式会社におけるTableau活用事例:https://www.tableau.com/ja-jp/solutions/customer/fostered-data-driven-culture-ntv

まとめ:Tableauでデータ利活用をはじめよう

今回は、Tableauの3つの特徴を中心に解説した。

・誰でも簡単に扱える製品
・スモールスタートが容易
・熱狂的なコミュニティがあり、且つTableauに関する情報が豊富

多くの日本企業において、データをビジネスの意思決定などに効果的に活用できているケースはまだ多くないのではないかと思う。しかしながら、データ利活用を進めている企業は着実に増えてきている。みなさんがBI、またはTableauについて情報収集している背景には、今の状態よりもさらにデータを活用し、ビジネスを成長させていきたいという想いがあるだろう。そこで、Tableauの活用は前に進む一つの選択肢になるはずである。