有無を言わさない。Tableau ReaderよりもViewerを使うべき理由。
Tableau Readerが無料と聞いて、「Tableau Readerで社内にデータを共有していこう」と考える方もいらっしゃるかもしれない。しかし、少し考えてみてほしい。本当に無料なのか。本記事では、Tableau ReaderとViewerライセンスとの違いを比較しながら、Tableau Viewerライセンスを利用すべき理由について説明していく。
どんな人におすすめの記事なのか?
- Tableauで社内にダッシュボードを共有したいけど方法がわからない
- 無料のTableau Readerというものがあることを知ったが何かわからない
- データドリブンカルチャー醸成を目指していきたい
この記事を読むと学べること
- Tableau Readerとは何か
- Tableau ReaderとTableau Viewerとの違い
- なぜTableau ReaderよりもViewerを選択すべきなのか
Tableau Readerとは何?
Tableau Readerは、ざっくりいうと「Acrobat Reader(PDF Reader)」のようなものだ。PDFは、アドビが開発した「電子文書」のファイル形式で、紙で印刷したときと同じようなデザインで閲覧でき環境を選ばず、比較的自由に共有することができる。そのため、もちろん組織を跨いでPDFを共有したりすることもできる。Tableau Readerも似たようなものである。Tableau Readerは、Tableau Desktopで作成したインタラクティブなコンテンツ(ダッシュボードなど)を他のユーザーに共有し、無料で閲覧させることができる。
Tableau ReaderとViewerとの違い
できること
Tableau Reader
コンテンツをインタラクティブに操作ができる
Tableau Viewer
- 許可されたライセンスユーザーのみがアクセスできる環境において、Webブラウザ上でのコンテンツをインタラクティブに操作できる
- サマリーデータのダウンロード
- コンテンツのお気に入り登録
- 画像ファイルとしてダウンロード
- ダッシュボードに対して、コメントができる(Tableau上でインタラクティブにコミュニケーションが可能)
- サブスク機能(任意の頻度でメール配信など可能)
Tableau Readerの注意点
セキュリティがあまい
これはTableau Reader自体にセキュリティホールがあるなどの話ではなく、そもそもの仕組みの話である。Tableau Readerで閲覧できるのは、Tableau Desktopで作成したパッケージドワークブック(twbx)であるため、もちろんローデータがファイルにパッケージされている。これは誤って機密データを漏洩してしまうリスクもあり、共有した後どのようにそのデータが扱われているかもトラッキングする術もない。ガバナンスを効かせて、データ活用を社内で推進するには大きな問題である。
まとめ
企業において、データ利活用を推進しデータドリブンカルチャーを醸成を目指しているのであれば、Tableau Readerはおすすめしない。コスト削減の観点で無料のTableau Readerで展開しようとするケースもあるが、むしろ逆でTableau Readerの場合、想定していなかったコストが発生する可能性がある。例えば、Tableau Readerで展開した際のサポートなどに準ずるFTEや情報漏洩などによる発生するコストなどである。社内でのダッシュボードやデータの展開はTableau ServerやTableau Cloudを通じてライセンス保有しているTableau Viewerのユーザー(CreatorやExplorerユーザーも)へ適切にExpandしていくことが重要である。Tableau Viewerを活用して、データドリブンな組織を作っていってもらいたい。